先週、『ホールドオーバーズ-置いてけぼりのホリデイ-』を観ました。
すごく評判がいいけど、そんなに? なんか邦題もダサいけど? と思ったけど、実はそれもミソだったというすごい作品でした。
まず、この映画、舞台は1970年のアメリカで、寄宿制のエリート男子校です。
(ちなみに実在の学校らしいけど、今は共学みたいです)。
『今を生きる』とか『モーリス』とかを思い出してしまいますね。
で、最初は、なんか懐古主義?って思うわけです。
画像も古い感じ(デジタル加工だそうです)だし、なんで今、この映画なんだろう?と思うわけです。
親から見捨てられた子が、嫌われ者の教師と残されて交流を深める…なんて、なんだかな〜と思うわけです。
でも、違うのです。
この映画は、古きを知ることが今を知ることだとメッセージします。
あからさまな男性社会、白人中心主義、エリート主義の時代に、何があったのか?
それを今、見直すことが必要なんだと気付かされました。
そして、先生!
本当に切ないシーンがいっぱいあります。
いわゆる非モテエピソード満載なのですが、なんか本当に、世の中くだらねえよ!と叫びたくなる。
最後は苦いけど、そんなもん、ぺってやってやるぜ!
決してハートウォーミングとかではなくて、あの時代(70年代)の反骨精神みたいなものを感じ、そして今、それからどうなったのか?と問われているような気がしました。
私だけかもですが、村上春樹の小説みたいだと思いました。
そう考えると、「ドライブ・マイ・カー」とも何か通じるものがあるのかも?
タイトル、劇場での最後の演出など、細部にもこだわっていて、映画体験としても素晴らしかったです。
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